合格率データブック

試験選びに役立つデータ

できすぎた数字は、偶然どれくらい出るのか

基本情報技術者試験の受験者が99,999人だった年があります。手元の人数から、ぞろ目や連番を全部数えて、偶然ならいくつ出るはずかと比べました。

公開:2026-10-25

このサイトは、国家試験の人数を公表資料からそのまま集めています。 その中に、作り話のような数字が混じっていました。

基本情報技術者試験の2016年度、受験者は 99,999人でした。

あと1人で10万人です。打ち間違いを疑って原本を確かめましたが、 情報処理推進機構の推移表にそのまま載っている値でした。 同じ年の合格者26,591人から計算すると合格率は26.6%になり、公表値とも合います。

こういう数字を見ると、何かあるのではと思ってしまいます。 そこで、手元のデータに「できすぎた数字」がいくつあるのかを全部数え、 偶然ならいくつ出るはずかを計算して、それと比べてみました。

数え方

対象は人数の列だけです(申込者・受験者・合格者・最終段階の受験者・5科目到達者)。 合格率や年は数えていません。全部で3,589個あります。

桁 個数
1桁 9
2桁 68
3桁 462
4桁 1,706
5桁 1,276
6桁 68

偶然なら何個出るか

たとえば4桁の数は9,000通りあり、そのうちぞろ目は1111から9999までの9通りです。 1,000個に1個の割合です。桁ごとにこれを計算して、個数をかけると、 「偶然ならいくつ出るはずか」が出せます。

形 例 偶然なら 実際に
ぞろ目 4,444 6.5個 6個
連番(増える) 567 4.8個 1個
連番(減る) 4,321 4.8個 7個
回文 1,441 29.9個 21個
繰り返し 2,525 17.1個 19個

ぞろ目は、偶然なら6.5個のところ、実際に6個ありました。 ほかの形も、多かったり少なかったりはしますが、桁違いに多い・少ないということは ありません。 できすぎた数字は、偶然に期待できる程度の数だけ出ています。

実際にあったもの

ぞろ目(6個)

人数 試験 回 項目
99,999 基本情報技術者試験 2016 受験者
6,666 保健師国家試験 104 合格者
4,444 中小企業診断士試験 2019 合格者
4,444 きゅう師国家試験 25 受験者
222 原子炉主任技術者試験 2016 受験者
222 危険物取扱者試験 R7年度5月 合格者

連番(増える)(1個)

人数 試験 回 項目
567 システムアーキテクト試験 R3 合格者

連番(減る)(7個)

人数 試験 回 項目
987 歯科技工士国家試験 H28年度 合格者
543 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 H28 合格者
432 木造建築士試験 2022 受験者
321 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 R2 合格者
321 木造建築士試験 2024 合格者
210 気象予報士試験 64 合格者
210 原子炉主任技術者試験 2018 受験者

回文(21個)

人数 試験 回 項目
99,999 基本情報技術者試験 2016 受験者
58,385 第二種電気工事士試験 2017上期 申込者
45,054 第一種電気工事士試験 2016 申込者
42,824 第二種電気工事士試験 2018上期 合格者
41,914 第二種衛生管理者免許試験 R6年度 申込者
35,553 賃貸不動産経営管理士試験 2021年度 申込者
22,922 日商簿記検定 第168回 申込者
21,512 二級建築士試験 2024 受験者
15,851 危険物取扱者試験 R7年度11月 合格者
13,231 公認会計士試験 2020 申込者
7,117 ITストラテジスト試験 H25 申込者
6,666 保健師国家試験 104 合格者

ほか9個。

繰り返し(19個)

人数 試験 回 項目
9,393 公認会計士試験 2020第Ⅰ回 申込者
8,181 システムアーキテクト試験 H27 申込者
8,080 第二種電気主任技術者試験 2016 申込者
6,666 保健師国家試験 104 合格者
6,161 中小企業診断士試験 2019 申込者
5,757 日商簿記検定 第172回 合格者
5,353 行政書士試験 2021 合格者
4,747 ITストラテジスト試験 H29 受験者
4,646 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 H30 申込者
4,444 中小企業診断士試験 2019 合格者
4,444 きゅう師国家試験 25 受験者
3,535 精神保健福祉士国家試験 2 受験者

ほか7個。

99,999は、どれくらい珍しいのか

5桁の数は90,000通りあり、ぞろ目は9通りです。1万個に1個の割合です。 手元には5桁の人数が1,276個あるので、 この中に5桁のぞろ目が1個でも現れる確率は12.0%になります。

4桁だともっと高くなります。4桁の人数は1,706個あり、 1個でも現れる確率は81.9%です。ほぼ出ます。 実際、4,444人という人数は2件 (中小企業診断士試験ときゅう師国家試験)ありました。

珍しいことが起きたのではなく、数が多ければ珍しい形も現れる、というだけです。 3,589個のうち、どれかの形になったのは47個(1.3%)でした。

数え方による限界

上の「偶然なら」は、数字が一様に散らばっている前提で計算しています。 実際の人数はそうではありません。受験者数は試験ごとに決まった範囲に集まりますし、 先頭の桁の出かたにも偏りがあることが知られています。 だから予測はおおよその目安であり、実際の値とぴったり合うことを期待するものでは ありません。

どの形を「できすぎ」と呼ぶかも、何をそう定義するかの問題です。 ここでは5つに絞りましたが、「きりのいい数」「同じ数字が3つ並ぶ」なども入れれば、 該当する数は増えます。

これが、このサイトの主題とつながるところ

人は数字の形に意味を読み取ります。99,999人を見て、 何かあると感じたなら、それは自然な反応です。

ただ、合格率の読み違いも、仕組みは同じです。 「合格率7.4%」と「35.1%」は同じ試験の同じ年の数字で、 何人の中で数えたかが違うだけでした。 目に入った数字に、つい意味を足してしまいます。

数字そのものより、その数字がどう作られたかを見る。 このサイトが人数と出典を並べて出しているのは、そのためです。