早稲田大学の出願先を考えるとき、倍率は気になる数字です。同じ学部でも方式によって違うなら、少しでも低いほうを選びたくなるかもしれません。
ただ、倍率を比べるには、試験の方式と人数の数え方をそろえる必要があります。2025年度の公式結果を読むと、同じ表の「実質倍率」でも、一般選抜と共通テスト利用入試では計算に使う人数が違います。
商学部では方式によって倍率が違う
まず、2025年度一般選抜の商学部を見てみます。下の人数は公式表の受験者数と合格者数、倍率は大学の公表値です。
| 方式 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
|---|---|---|---|
| 地歴・公民型 | 7,767人 | 754人 | 10.3倍 |
| 数学型 | 2,693人 | 394人 | 6.8倍 |
出典:早稲田大学「2025年度一般選抜および大学入学共通テスト利用入学試験結果」(1ページ、商学部の各行)。両方式の補欠合格者欄は「―」です。
この結果から、数学型の実質倍率が低かったことは分かります。しかし、地歴・公民型を受けた人が、そのまま数学型に移れば受かりやすくなるとは言えません。方式を選ぶ段階で、得意科目などが異なる人たちが集まっている可能性があるからです。
倍率は、その方式を実際に受けた人たちの結果です。自分が方式を変えた場合の結果を測った数字ではありません。
法学部の5.3倍には補欠合格者を含む
同じ年度の法学部一般選抜は、受験者4,110人、合格者726人で、公表倍率は5.3倍です。
4,110を726で割ると約5.7になるため、数字が合わないように見えます。ここで必要なのが、別の欄に載っている補欠合格者45人です。
公式表の注1では、一般選抜の実質倍率を次のように定義しています。
受験者数 ÷(合格者数+補欠合格者数)
法学部に当てはめると、4,110 ÷(726+45)で約5.3倍になります。補欠者として発表された185人全員を足すのではなく、そのうち補欠合格となった45人を足します。同資料の法学部行・注1で確認できます。
「合格者数」と「補欠合格者数」を別々に載せる表では、どちらまで含んだ倍率かを読む必要があります。
共通テスト利用入試は志願者数で計算する
法学部の共通テスト利用入試は、志願者2,750人、合格者553人、公表倍率5.0倍でした。こちらは2,750 ÷ 553で約5.0倍です。
| 法学部の方式 | 大学が倍率に使う計算 | 公表倍率 |
|---|---|---|
| 一般選抜 | 受験者数 ÷(合格者数+補欠合格者数) | 5.3倍 |
| 共通テスト利用入試 | 志願者数 ÷ 合格者数 | 5.0倍 |
共通テスト利用入試の受験者数欄は「―」で、公式表の注2も志願者数を使うとしています。同資料の法学部行・注2が根拠です。
この二つを見て、「5.0倍のほうが自分には有利」とまでは判断できません。計算の対象に加え、方式を選ぶ人や評価される成績も違うためです。
大学全体の志願者数は併願を含む
学部を横断して数字を見るときは、もう一つ注意があります。同じ資料の総志願者数は95,938人、併願を一人として数えた実志願者数は43,524人です。対象は、この表に掲載された一般選抜と共通テスト利用入試です。同資料の総計・注4。
一人が複数の学部・方式に出願すれば、総志願者数には複数回登場します。学部別の人数を足した値を、そのまま受験生の実人数と読むことはできません。
出願先を比較するときは、学部全体の数字から、自分が検討する方式・学科へと絞って見てください。そのうえで、対象年度の入試要項と自分の得意科目を合わせて考えます。倍率は、受験者の集まり方を知るための材料として使うと役立ちます。
学部・方式別のデータ:早稲田大学の入試結果
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