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研修医マッチングの92.3%と90.0%と84.6%は何が違うのか

希望順位登録者、全参加者、募集定員。同じマッチ者数から生まれる三つの割合を比べます。

公開:2026-10-30

研修先を探す人が知りたいのは、希望した研修先と組み合わせが決まるかどうかです。一方、受け入れる病院から見れば、募集した定員がどれくらい埋まったかも気になります。

2025年度の医師臨床研修マッチングでは、同じ8,910人というマッチ者数から、92.3%、90.0%、84.6%という三つの割合を示せます。対象とする全体が違うためです。このうち、協議会が公表する「マッチ率」は92.3%です。

公式のマッチ率は希望順位を登録した人が対象

2025年10月23日に結果が発表された2025年度のマッチングには、9,902人が参加しました。そのうち、希望順位表を登録したのは9,651人です。組み合わせが決まったマッチ者は8,910人でした。

協議会は、希望順位登録者数を使って、次のようにマッチ率を出しています。

8,910 ÷ 9,651 × 100 ≒ 92.3%

出典:医師臨床研修マッチング協議会「令和7年度 研修医マッチングの結果」(2025年10月23日、PDF 1ページ・表1、2ページ・表2)。年度はマッチング実施年度として扱っています。

「参加登録した人」と「希望順位まで登録した人」を分けることが、数字を読む最初のポイントです。

同じ8,910人でも比較する全体を変えると率が変わる

知りたいこと分母にする数計算割合
希望順位を登録した人のうち、何割がマッチしたか9,651人8,910 ÷ 9,651 × 10092.3%
全参加者のうち、何割がマッチしたか9,902人8,910 ÷ 9,902 × 10090.0%
募集定員のうち、何割が埋まったか10,527人分8,910 ÷ 10,527 × 10084.6%

92.3%は協議会の公表値です。90.0%と84.6%は、同資料の人数から小数第1位に丸めて計算しました。募集定員とマッチ者数は、協議会の推移資料の1ページでも確認できます。

分母とは、割合を計算するときに「全体」とする数です。最初の二つは参加する人の側、最後は病院の募集枠の側から、同じ結果を見ています。

90.0%を、定義を添えずに公式の「マッチ率」と呼ぶと、92.3%との違いが分からなくなります。「全参加者に対する割合」と書く必要があります。

空席とマッチしなかった人は同時に存在する

この結果では、募集定員10,527人分からマッチ者8,910人を引くと、1,617人分の空席があります。一方、希望順位を登録した9,651人のうち、マッチしなかった人は741人です。

空席があるのにマッチしなかった人もいることは、単純な人数の比較では不思議に見えるかもしれません。ただし、マッチングは、研修希望者と研修病院それぞれの希望順位に基づいて組み合わせを決める仕組みです。協議会の概要説明に、双方が希望順位表を提出する手順が示されています。

全国の定員が参加者数を上回っていることだけでは、一人ひとりの希望する組み合わせまで成立するとは言えません。希望順位を登録しなかった251人も、順位を登録したうえでマッチしなかった741人とは分けて扱います。参加状況と空席数は結果資料の表1・表4に対応します。

病院の充足率は自分の合格率ではない

募集定員に対する割合を地域や病院種別で比べれば、枠がどの程度埋まったかを見られます。しかし、充足率が低い地域なら、自分が希望する病院と高い確率でマッチするとは限りません。

その地域で枠が空いていることと、自分が選ぶ研修プログラムの募集状況は別だからです。研修内容や場所、個別のプログラムの結果まで絞って確認する必要があります。

また、ここでの数字はマッチングの結果発表時点のものです。空席を2次募集で補充することも認められているため、その後の採用状況まで追った最終的な就業率としては読めません。協議会の概要説明「参加病院」を参照してください。

数字を比べるときは、「希望順位を登録した人」「全参加者」「募集定員」のどれを全体にしているかを先に確認します。自分が知りたいことに応じて使い分けると、三つの割合は矛盾せずに読めます。

年度・地域別のデータ:医師臨床研修マッチング

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