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教員採用の倍率低下は受験者減と採用増のどちらで起きたか

全国と学校種別の人数を比較し、受験者減と採用増が倍率にどう関わったかを確かめます。

公開:2026-10-30

教員採用の倍率が下がったと聞くと、「受ける人が減ったのだろうか」「採用が増えたのだろうか」と気になります。受験を考える人にとっても、この二つでは受け止め方が変わります。

2024年度と2025年度の全国計を比べると、受験者数の減少と採用者数の増加が、両方起きていました。ただし、学校種別に見ると、倍率の水準も変わり方も一様ではありません。

全国計では受験者が減り採用者が増えた

この資料の年度は採用年度です。2025年度は令和7年度採用の結果で、試験は主に前年度に実施されています。

採用年度受験者数採用者数公表採用倍率
2024年度116,182人36,421人3.2倍
2025年度109,123人37,375人2.9倍
人数の増減−7,059人+954人—

出典:文部科学省「令和7年度公立学校教員採用選考試験の実施状況」参考資料1(2026年10月1日訂正版、PDF 10ページ・第7表の総計)。増減は人数から計算しています。

採用倍率は、受験者数を採用者数で割った値です。受験者数が減ることも、採用者数が増えることも、倍率を下げる方向に働きます。

今回の全国計は、その両方が重なった形です。「受験者が減ったから」という説明だけでは、採用者が増えた動きを見落とします。

小学校と養護教諭では倍率の水準が違う

全国計だけで受験先の状況を判断するのは難しいため、学校種別も確認します。

区分2024年度の公表倍率2025年度の公表倍率2025年度の受験者数2025年度の採用者数
小学校2.2倍2.0倍34,434人17,078人
高等学校4.4倍3.8倍19,705人5,152人
養護教諭8.2倍8.2倍9,499人1,164人

出典:同資料のPDF 9〜10ページ・第7表。

小学校と高等学校では公表倍率が下がる一方、養護教諭は小数第1位の表示で同じ8.2倍でした。「教員採用は2.9倍」とだけ読むと、この差が隠れます。

また、この表は全国集計です。希望する自治体や教科の倍率が、全国の値と同じになるとは限りません。受験先を検討する段階では、希望する区分の公式結果まで絞って見る必要があります。

倍率の低下だけでは人が減った理由は分からない

受験者が減ったことは人数で確認できます。しかし、その理由を勤務環境、学生の進路選択、受験制度の変更などのどれか一つに決めることは、この表だけではできません。

同様に、採用者が増えたことから、必要な人数をすべて採用できたとも言えません。この表が示すのは受験者と採用者の実績であり、学校現場で必要とされる人数との差を測ったものではないからです。

倍率の動きと、教員をめぐる課題の原因は分けて読む必要があります。

長期比較では集計の変わり目に注意する

第7表には長期の推移も載っていますが、注記では2024年度以降の受験者数に社会人等向け採用猶予受験者を含むとしています。この記事で直近2年度を比較したのは、この定義変更をまたがない範囲を見るためです。第7表の注2を参照してください。

また、採用者数には、過年度の選考に合格して、その年度に採用された人も含まれます。同資料のPDF 2ページ・第2表の注1に記載があります。当年の受験者から当年の合格者が出た、という一つの集団の結果と同じには扱えません。採用倍率を逆数にして、そのまま受験者の合格率とはしないのが適切です。

受験を考えるときは、全国の倍率で大きな動きをつかみ、学校種・自治体・教科へと絞って確認する。人数と倍率を一緒に見ると、自分が検討する採用枠について、次に何を調べるべきかが分かります。

学校種別・年度別のデータ:公立学校教員採用選考

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