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税理士の科目別合格率はどれほど変わる? 2024・2025年度の比較

前年の率が高い科目が、次も受かりやすいとは限りません。科目ごとの動きと、人数の重複を確認します。

公開:2026-10-27

税理士試験の科目を選ぶとき、前年の合格率の高さは分かりやすい目印です。 しかし、2024年度と2025年度を比べると、財務諸表論の率は大きく上がり、簿記論の率は下がりました。 ある年の合格率を、その科目の固定的な受かりやすさとして扱うことはできません。

科目によって、前年からの動きが異なる

税理士試験の科目別結果(2024・2025年度)
科目2024受験者2024合格者2024合格率2025受験者2025合格者2025合格率
簿記論17,7113,07617.4%18,4662,05811.1%
財務諸表論13,6651,0998.0%15,6294,98031.9%
所得税法1,19515012.6%1,12014613.0%
法人税法3,58358816.4%3,60648813.5%
相続税法2,51547118.7%2,41333313.8%
消費税法7,20674010.3%7,06471210.1%
酒税法5286412.1%5907212.2%
国税徴収法1,67021713.0%1,67123113.8%
住民税4618418.2%4397817.8%
事業税2493413.7%3103812.3%
固定資産税89316118.0%92814415.5%

財務諸表論は、合格者が1,099人から4,980人に増え、 合格率は8.0%から31.9%へ、 23.8ポイント上昇しました。

対して簿記論は、受験者が17,711人から18,466人に増えたものの、 合格者は3,076人から2,058人に減り、 合格率は17.4%から11.1%に下がっています。 同じ会計科目でも、率が同じ方向に動くとは限りません。

科目ごとの受験者は、同じ集団ではない

各科目の表は、その科目を実際に受けた人の結果です。 学習経験、ほかの科目の合格状況、受験回数などをそろえて受けてもらった比較ではありません。 合格率の差には試験問題以外の違いも含まれ得るため、率の順番をそのまま科目の難易度ランキングにはできません。

また、会計科目は2023年度から受験資格の制限がなくなりましたが、税法科目には受験資格があります。 このように受験の入口も異なります。科目を選ぶ際は、率の高さより先に、受験資格と必要な科目の組合せを確認します。

科目別の人数を合計すると、実際の人数より多くなる

2025年度の科目別受験者数を足すと52,236になります。 一方、実人数として公表された受験者数は36,320人です。 同じ人が複数科目を受けると、科目別の合計では複数回数えるためです。

科目別の合格者数の合計も9,280で、 全体の合格者等の実人数7,847人とは一致しません。 率を単純平均しても、実人数を分母にした全体の率にはなりません。 人数の重複と、5科目到達の扱いは、税理士試験の「合格者」の読み方で詳しく説明しています。

科目選択には、率の予測より準備状況を使う

2025年度の財務諸表論の率が高かったことから、翌年も高いと予測する根拠は得られません。 反対に、「高かった翌年は必ず下がる」という法則も、この2年度だけでは示せません。 公表値は過去の集計であり、翌年の採点結果の予告ではありません。

実際の計画では、既に合格した科目、受験資格、使える学習時間、過去問で確認した理解の不足を整理します。 合格率は過去の結果の幅を知る補助材料にとどめると、前年の数字だけを理由に科目を変更する判断を避けられます。 科目合格制度の基本は、1科目から受ける税理士試験も参照してください。