合格率データブック

試験選びに役立つデータ

税理士試験は、1科目から受けられる

1科目4,000円、試験は1日だけ。合格した科目は期限なしで残ります。働きながら5科目そろえるまでの進め方です。

公開:2026-10-18

税理士試験は、5科目に合格すると資格を取得できる科目合格制の試験です。1年で5科目すべてを 受ける必要はありません。

1科目だけ申し込むこともできて、受験手数料は4,000円です。試験は8月の3日間のうち、 受ける科目の日だけ行けばよく、1科目なら1日で終わります。一度合格した科目は、 期限なしでずっと残ります。

働きながら何年かかけて進められる制度が用意されている試験です。この記事では、 申し込みから5科目そろえるまでの進め方を、金額と人数のデータをもとにたどります。

1科目だけ申し込める

受験手数料は、1年度に申し込む科目の数で変わります。1科目が4,000円、2科目目からは1科目ごとに1,500円が加わり、5科目で10,000円です。何年かに分けて受けると、その年度ごとに手数料がかかります。

合格した科目は、期限なしで残る

科目ごとに合格でき、一度合格した科目は、その後の試験でずっと免除されます。期限はありません。

ここが、ほかの会計系の試験と違う点です。公認会計士試験は、短答式に合格すると、合格発表の日から2年間、短答式が免除されます。論文式については、合格した科目が、合格発表の日から2年間免除されます。

1年に1科目ずつ進めても、5年かければ5科目そろいます。途中で何年か空いても、合格した 科目の効力が消えることはありません。

会計科目は誰でも、税法科目には要件がある

会計科目(簿記論・財務諸表論)は2023年度から受験資格の制限がなく、誰でも受験できます。税法科目を受験するには、学識・資格・職歴のいずれかの要件を満たす必要があります。

いますぐ要件を満たしていなくても、受験資格の制限がない科目は先に受けられます。

試験は8月の3日間。受ける科目の日だけ行けばよい

試験は年1回、8月です。1日3科目ずつ、3日に分けて行われます。 受験する科目がある日だけ会場に行けばよいので、1科目なら1日で終わります。

受験申込 2026年4月20日(月)〜2026年5月8日(金)
試験 2026年8月4日(火)〜2026年8月6日(木)
合格発表 2026年11月27日(金)

2026年度の日程です(2026年10月17日に確認しました)。 いまの状態は、発表待ちです。郵送の場合は、2026年5月8日までの通信日付印があるものに限ります。ウェブ申請もできます

第76回。熊本県では令和8年熊本地震のため再試験が行われた。第77回(令和9年度)の日程はまだ公表されていない。

科目によって、通る割合がかなり違う

どの科目から受験するかを決めるとき、判断の材料になるのが科目ごとの合格率です。 2025年度の11科目の結果は、次のとおりです。

科目 受験者 合格者 公表合格率
財務諸表論 15,629人 4,980人 31.9%
住民税 439人 78人 17.8%
固定資産税 928人 144人 15.5%
相続税法 2,413人 333人 13.8%
国税徴収法 1,671人 231人 13.8%
法人税法 3,606人 488人 13.5%
所得税法 1,120人 146人 13.0%
事業税 310人 38人 12.3%
酒税法 590人 72人 12.2%
簿記論 18,466人 2,058人 11.1%
消費税法 7,064人 712人 10.1%

いちばん高い財務諸表論(31.9%)と、いちばん低い 消費税法(10.1%)では、 3.2倍の差があります。

ただし、この差の大きさは年によって変わります。財務諸表論の直近3年間の推移は、 次のとおりです。

年度 受験者 合格者 公表合格率
2023年度 13,260人 3,726人 28.1%
2024年度 13,665人 1,099人 8.0%
2025年度 15,629人 4,980人 31.9%

受験者数はほとんど変わらないのに、合格率は8%から31.9%のあいだで 変動しています。4.0倍の差です。

つまり「合格率の高い科目を選ぶ」という決め方は、過去の数字だけでは成り立ちません。 自分が受ける年の数字は、受ける前には分かりません。科目を選ぶ際の材料になるのは、 受験資格の要件・学習量・実務での使い方のほうです。

なお、よく見る「合格率21.6%」(2025年度)は、 その年に1科目以上合格した人7,847人を、受験者36,320人で 割った値です。5科目そろえて資格を取得した人は、このうち527人です。 この試験は、ひとつの数字で自分の見込みを測れるものではありません。

簿記論の受験者18,466人と財務諸表論の受験者15,629人が、受験者の多い 2科目です。全体の合格率は、この2科目の結果に大きく左右されます。

受験者の3分の1は41歳以上

2025年度の受験者と合格者を、年齢別に分けたものが次の表です。 合格者には一部科目の合格者を含みます。

年齢 受験者 合格者 通った割合
20歳以下 1,742人 617人 35.4%
21〜25歳 6,752人 1,987人 29.4%
26〜30歳 6,420人 1,638人 25.5%
31〜35歳 5,100人 1,266人 24.8%
36〜40歳 4,674人 1,000人 21.4%
41歳以上 11,632人 1,339人 11.5%
合計 36,320人 7,847人 21.6%

受験者がいちばん多いのは41歳以上の11,632人で、全体の 32%です。何科目を出願したか、 何年目かは表には示されていませんが、この構成は、この試験が長い期間をかけて受ける ものであることを示しています。

過去問は8回分、「出題のポイント」もある

第69回(令和元年度)から第76回(令和8年度)までの8回分の試験問題が、 国税庁(国税審議会)のサイトで公開されています。答案用紙と正誤表も一緒に手に入ります。

同じ8回分について、どこを問うた問題かを、国税庁が科目ごとに説明しています。も 公開されています。

出典を示せば転載・加工できます。ただし問題文に他人の著作物が含まれている部分は、その権利者の許諾が要ります。

勉強時間に、公的な資料はない

合格までに何時間の勉強が必要かについて、国税庁(国税審議会)や官庁が公表した資料は 見つかっていません。 よく引用される2,000〜2,250時間という数字は、 スタディング「税理士試験の勉強時間」に載っているものです。5科目そろえるまでの合計です。1回の試験で科目ごとに受けられます。簿記論450・財務諸表論450・法人税法600・相続税法450・消費税法300時間の積み上げと書かれています。 実施団体の調査ではないので、目安として扱っています。

科目ごとに必要な量が違うという点は、順番を決めるときの材料になります。

受かったあと

従業者数 63,850人 令和2年国勢調査の結果を加工して作成
年収 810.8万円 令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成
月の労働時間 150時間 同上
平均年齢 42.2歳 同上
ハローワークの求人倍率 2.38倍 令和7年度

この年収は、職業分類ごとに集計された数字で、個人差や勤め先による差は示されて いません。同じ調査では、公認会計士も810.8万円です。

求人倍率は、同じ資料では公認会計士が0.29倍、税理士が2.38倍です。 これは、ハローワークに掲載された求人と求職の数の比なので、ハローワークを通らない 採用は含まれていません。

進路として挙げられているのは、個人事務所と共同事務所・法人です。 実務を積んだあと、個人事務所を開く人がほとんどです。

次にやること

2026年度は、申込が4月20日(月)〜5月8日(金)、試験が8月4日(火)〜8月6日(木)でした。次回の日程は、春に公表される公告で確認することになります。

受験資格の要件を満たしていなければ、制限のない科目から始められます。1科目なら 4,000円、試験は1日だけです。

受験者数などの人数は、国税庁(国税審議会)の公表資料をもとに収録しています。回ごとの人数と出典は 『税理士試験』のページにあります。