仕事を続けたまま資格を取れるのか。 まとまった時間が取れる人に比べて、不利なのではないか。 働きながら受けるかどうかを決めるとき、まずここが気になると思います。
勤務先ごとの結果を公表している試験があります。 このサイトに収録しているなかでは、中小企業診断士試験と応用情報技術者試験の2つです。 同じ立場の人がどれくらい受かっているかを、ここから確かめられます。
中小企業診断士試験
次の表は、2025年度の勤務先の区分別の人数です。 合格率は申込者数で割った率なので、低めに出ます (受けに来なかった人も分母に入るためです)。
| 勤務先 | 申込者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 経営コンサルタント自営業 | 523 | 71 | 13.6% |
| 税理士・公認会計士等自営業 | 607 | 127 | 20.9% |
| 上記以外の自営業 | 767 | 90 | 11.7% |
| 経営コンサルタント事業所等勤務 | 732 | 127 | 17.3% |
| 民間企業勤務 | 16,790 | 2,845 | 16.9% |
| 政府系金融機関勤務 | 421 | 82 | 19.5% |
| 政府系以外の金融機関勤務 | 1,707 | 293 | 17.2% |
| 中小企業支援機関 | 537 | 59 | 11.0% |
| 独立行政法人・公益法人等勤務 | 265 | 45 | 17.0% |
| 公務員 | 993 | 203 | 20.4% |
| 研究・教育 | 200 | 27 | 13.5% |
| 学生 | 663 | 86 | 13.0% |
| その他(無職を含む) | 2,006 | 289 | 14.4% |
| 経営コンサルタント自営業 | 122 | 12 | 9.8% |
| 税理士・公認会計士等自営業 | 231 | 45 | 19.5% |
| 上記以外の自営業 | 165 | 28 | 17.0% |
| 経営コンサルタント事業所等勤務 | 212 | 38 | 17.9% |
| 民間企業勤務 | 4,875 | 853 | 17.5% |
| 政府系金融機関勤務 | 134 | 30 | 22.4% |
| 政府系以外の金融機関勤務 | 533 | 85 | 15.9% |
| 中小企業支援機関 | 88 | 14 | 15.9% |
| 独立行政法人・公益法人等勤務 | 81 | 14 | 17.3% |
| 公務員 | 328 | 53 | 16.2% |
| 研究・教育 | 50 | 4 | 8.0% |
| 学生 | 105 | 25 | 23.8% |
| その他(無職を含む) | 431 | 39 | 9.0% |
いちばん人数が多いのは、民間企業勤務の16,790人で、 合格率は16.9%です。 いっぽう、学生の合格率は13.0%です。 働いている人の合格率のほうが低い、という結果にはなっていません。
この回でいちばん高かったのは、税理士・公認会計士等自営業の20.9%、 いちばん低かったのは、その他(無職を含む)の9.0%でした (申込者が200人に満たない区分は、振れが大きいので除いています)。
応用情報技術者試験
次の表は、勤務先と在学中の学校の人数です。 こちらは受験者数で割った率なので、 上の表とは分母が違います。横に並べて比べないでください。
| 勤務先・在学中の学校 | 受験者 | 合格率 |
|---|---|---|
| 社会人:ソフトウェア業 | 8,616 | 21.3% |
| 社会人:情報処理・提供サービス業 | 9,237 | 21.2% |
| 社会人:コンピュータ及び周辺機器製造又は販売業 | 379 | 21.4% |
| 社会人:農業、林業、漁業、鉱業 | 15 | 46.7% |
| 社会人:建設業 | 349 | 21.5% |
| 社会人:製造業 | 1,912 | 30.8% |
| 社会人:電気・ガス・熱供給・水道業 | 210 | 35.7% |
| 社会人:運輸・通信業 | 505 | 29.1% |
| 社会人:卸売・小売業、飲食店 | 263 | 24.3% |
| 社会人:金融・保険業、不動産業 | 809 | 25.6% |
| 社会人:サービス業 | 636 | 28.3% |
| 社会人:調査業、広告業 | 53 | 28.3% |
| 社会人:医療・福祉業 | 143 | 28.0% |
| 社会人:教育(学校、研究機関) | 238 | 25.2% |
| 社会人:官公庁、公益団体 | 882 | 28.5% |
| 社会人:無職、その他無記入 | 8,618 | 21.1% |
| 学生:大学院 | 450 | 44.4% |
| 学生:大学 | 1,782 | 28.7% |
| 学生:短大 | 16 | 12.5% |
| 学生:高専 | 81 | 28.4% |
| 学生:専門学校 | 2,509 | 8.3% |
| 学生:高校 | 233 | 15.0% |
| 学生:小・中学校 | 7 | 0.0% |
| 学生:その他無記入 | 720 | 19.3% |
学生の区分は幅が大きく、 大学院が44.4% から 専門学校が8.3% まで開きがあります。 学生だから高く、社会人だから低い、という分かれ方はしていません。
何が言えて、何が言えないか
言えること。 どちらの試験でも、働いている区分の合格率が特別に低いということはありません。 受験者の多くは働いている人で、全体の合格率は、その人たちの結果で決まっています。 「働きながらでは無理」という結果は、公表資料には出ていません。
言えないこと。 なぜこうなるのかは、この資料からは分かりません。 公表されているのは区分ごとの人数と結果だけで、 その人たちがどれだけ勉強できたかは書かれていません。 勤務先が同じでも、勉強にあてられる時間は人によってまったく違います。
会社が受験を勧めていること、費用を負担していること、業務内容と試験内容が重なっていること。 そういった事情が混ざっている可能性もありますが、 資料には書かれていないので、ここでは推測として示すにとどめます。
決めるときに見るもの
勤務先の区分は、自分が受かるかどうかを言い当てるものではありません。 同じ区分の中にも、毎日2時間とれる人と、週末だけしか時間がとれない人がいます。
参考になるのは、自分と同じ立場の人が何人受けているかです。 中小企業診断士試験では、民間企業勤務だけで16,790人が申し込んでいます。 働きながら挑むことは、少なくとも珍しいことではありません。
必要な学習時間の目安は『すき間時間から学習期間を出す』に、 落ちたときにどうなるかは 『落ちたとき、何を失うか』に まとめています。