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応用情報技術者試験は、実務経験がないと不利か

経験を積んでから受けよう、と先延ばしにしていませんか。応用情報技術者試験では、実務経験が長いほど合格率が下がっています。

公開:2026-10-25

情報処理の試験を受けようとするとき、 実務経験がないことが引っかかるという人は多いと思います。 異業種からITの仕事に移ろうとしている人、学生、配属されたばかりの人。 受けていいのか、まだ早いのか。

応用情報技術者試験は、受験者の実務経験の年数ごとに結果を公表しています。 このサイトに収録している74試験のうち、実務経験の年数ごとの結果を公表 しているのは、この試験だけです。

実務経験の年数ごとの合格率

次の表は、令和7年度春期の社会人の数字です。 合格率は受験者数で割った率なので、公表されている合格率(22.1%)と 同じものさしで読めます。

実務経験 受験者 合格者 合格率
経験なし 149 46 30.9%
1年未満 2,662 843 31.7%
2年未満 1,824 528 28.9%
2年以上4年未満 3,127 820 26.2%
4年以上6年未満 2,561 643 25.1%
6年以上8年未満 1,920 470 24.5%
8年以上10年未満 1,413 332 23.5%
10年以上12年未満 1,192 263 22.1%
12年以上14年未満 670 135 20.1%
14年以上16年未満 746 150 20.1%
16年以上18年未満 654 107 16.4%
18年以上20年未満 572 83 14.5%
20年以上22年未満 658 82 12.5%
22年以上24年未満 452 61 13.5%
24年以上 1,990 255 12.8%
無記入 12,275 2,591 21.1%

経験が長いほど、合格率は下がっています。 経験なしが30.9%、24年以上が12.8%です。 いちばん高いのは経験の浅い側で、 経験がないことが不利に働いている結果にはなっていません。

表のいちばん下の「無記入」に注意してください。 受験者は12,275人で、社会人のなかで最大のグループです (社会人の受験者32,865人のうち 37.3%)。 この人たちの経験年数は分からないので、 上の傾向が全体に当てはまるとは言い切れません。

勤務先ごとの合格率

同じ資料に、勤務先の区分もあります。ここも、予想とは違う結果かもしれません。

勤務先・在学中の学校 受験者 合格率
社会人:ソフトウェア業 8,616 21.3%
社会人:情報処理・提供サービス業 9,237 21.2%
社会人:コンピュータ及び周辺機器製造又は販売業 379 21.4%
社会人:農業、林業、漁業、鉱業 15 46.7%
社会人:建設業 349 21.5%
社会人:製造業 1,912 30.8%
社会人:電気・ガス・熱供給・水道業 210 35.7%
社会人:運輸・通信業 505 29.1%
社会人:卸売・小売業、飲食店 263 24.3%
社会人:金融・保険業、不動産業 809 25.6%
社会人:サービス業 636 28.3%
社会人:調査業、広告業 53 28.3%
社会人:医療・福祉業 143 28.0%
社会人:教育(学校、研究機関) 238 25.2%
社会人:官公庁、公益団体 882 28.5%
社会人:無職、その他無記入 8,618 21.1%
学生:大学院 450 44.4%
学生:大学 1,782 28.7%
学生:短大 16 12.5%
学生:高専 81 28.4%
学生:専門学校 2,509 8.3%
学生:高校 233 15.0%
学生:小・中学校 7 0.0%
学生:その他無記入 720 19.3%

情報処理を本業とする勤務先の区分の合格率が、高いわけではありません。 ソフトウェア業は21.3%、情報処理・提供サービス業は21.2% です。いちばん高いのは、大学院の 44.4%でした。

担当業務ごとの合格率

担当業務 受験者 合格率
システム化戦略・企画・計画 1,266 27.4%
プロジェクト管理 2,102 23.2%
システム設計 3,015 22.1%
プログラム開発 5,534 22.6%
ネットワーク技術支援 639 25.4%
データベース技術支援 205 20.0%
エンベデッドシステム開発 312 26.3%
情報セキュリティ技術支援・管理・運用 968 18.2%
ITサービスマネジメント(システム管理・運用) 1,647 19.1%
システム監査 67 16.4%
研究・開発 739 33.6%
調査・企画 358 32.7%
総務・人事 317 21.1%
営業・販売(IT関連) 382 20.7%
営業・販売(非IT関連) 201 26.4%
製造 295 27.8%
教育・研修 288 21.2%
その他・無記入 14,530 21.8%

研究・開発が33.6%でいちばん高く、 情報セキュリティ技術支援・管理・運用が18.2%でいちばん低くなっています。 毎日その分野を担当していることが、そのまま高い合格率にはつながっていません。

なぜこうなるのかは、資料からは分かりません

公表されているのは区分ごとの人数と結果だけで、 その人たちがどれだけ勉強できたかは書かれていません。 経験が邪魔をしていると読むのは、行き過ぎです。

考えられることは、いくつもあります。 経験の浅い層には学生や若手が多く、勉強にあてられる時間が長いこと。 会社や学校で受験を勧められ、対策を受けている人が含まれていること。 この試験は特定の業務ではなく広い範囲を問うので、 日々の担当業務がそのまま得点にならないこと。 どれも資料には書かれていないので、推測として示すにとどめます。

社会人と学生で分けると、社会人の合格率は22.5%、学生は19.3%です。 差は大きくありません。 立場よりも、準備にかけられた時間の長さのほうが影響している可能性があります。

受けるかどうかを決めるときに

この数字は、受かるかどうかを言い当てるものではありません。 ただ「経験を積んでから受けよう」と先延ばしにする理由にはならないことは、 公表資料から言えます。

経験なしの受験者149人のうち、46人が受かっています。 人数としては多くありませんが、受からないわけではありません。

試験の回数・受験料・申込の期限は、 『応用情報技術者試験』のページにまとめています。