司法書士試験の過去問を使うとき、過去の合格点は到達度を確かめる材料になります。 ただし、2023年度までと2024年度以降では、筆記試験の満点が異なります。 2024年度の合格点が前年より高いことだけを理由に、必要な実力が同じだけ上がったとは判断できません。
この記事では、法務省の最終結果に記載された筆記試験の合格点を、そのままの表記で並べます。 合格点の推移と、受験者に対する最終合格者の割合は、分けて確認します。
満点が変わった前後を分けて読む
| 年度 | 法務省の資料に記載された合格点 |
|---|---|
| 2021 | 満点280点中208.5点以上 |
| 2022 | 満点280点中216.5点以上 |
| 2023 | 満点280点中211.0点以上 |
| 2024 | 満点350点中267.0点以上 |
| 2025 | 満点350点中255.0点以上 |
2024年度から記述式問題の配点が変わり、筆記試験の満点は280点から350点になりました。 比較の土台が変わっているため、前年との合格点の差を、そのまま難易度の変化として扱えません。 古い年度の問題を使う場合は、その年度の満点と配点を一緒に確認する必要があります。
合格点を満点で割って割合に直しても、それだけで異なる年度を同じ尺度にできるわけではありません。 択一式と記述式の比重が変われば、同じ得点割合でも、どの部分で点を取ったかの意味が変わるからです。
2024年度と2025年度は、総合の合格点が異なる
満点が同じ350点の2024年度と2025年度でも、総合の合格点は異なります。 公表資料の表記では、2024年度は「満点350点中267.0点以上」、2025年度は「満点350点中255.0点以上」です。 これは公表された採点結果の条件であって、翌年度の合格点を予告するものではありません。
過去問で2025年度の点数に届いたとしても、その得点をほかの年度の合否判定に持ち込むことはできません。 問題の組合せや採点条件が異なり、受験者の得点分布も同一ではありません。 練習の結果は、まず解いた年度の条件に照らして確認するのが筋道です。
総合点だけでなく、区分ごとの基準点もある
法務省の2024・2025年度の最終結果には、総合点の条件に加えて、 午前の部の多肢択一式問題、午後の部の多肢択一式問題、記述式問題のそれぞれについて基準点が示されています。 いずれかに達しなければ、そのことによって不合格となると記載されています。
したがって、総合点が目標に届くことと、すべての区分の条件を満たすことは別に点検します。 一つの区分の高得点で、別の区分の基準点未達を埋められると考えると、学習状況を誤って評価します。 具体的な基準点は、受ける年度の公式資料で確認してください。
合格点と最終合格率は、同じ指標ではない
| 年度 | 受験者 | 最終合格者 | 最終合格者÷受験者 |
|---|---|---|---|
| 2023 | 13,372 | 695 | 5.20% |
| 2024 | 13,960 | 737 | 5.28% |
| 2025 | 14,418 | 751 | 5.21% |
合格点は得点の条件、最終合格率は受験者の中で最終合格した人の割合です。 片方の数値が上がったり下がったりしても、もう片方が同じ方向に動くとは限りません。 また、表の人数は午前・午後の双方を受験した人で、合格者は口述試験後の最終結果です。
学習の振り返りでは、年度ごとに総合点と各区分の点数を記録し、その年度の条件との差を見ます。 年をまたいだ「何点伸びたか」だけでなく、どの区分が基準を満たしたかを分けると、次に確かめる箇所が具体的になります。 公式の過去問への案内と、元資料の合格基準を組み合わせて使えます。