行政書士試験の受験者数は、2016〜2025年度を一直線に増え続けたわけではありません。 いったん減ったあとに増え、直近の2025年度はこの10年度で最多となりました。 一方、受験者数が最多の年度と、合格率が最高の年度は一致しません。 試験の規模と、その年度に合格した割合を分けて読む必要があります。
受験者数は2018年度を底に、増減しながら拡大した
| 年度 | 受験者 | 合格者 | 合格者÷受験者 |
|---|---|---|---|
| 2016 | 41,053 | 4,084 | 9.95% |
| 2017 | 40,449 | 6,360 | 15.72% |
| 2018 | 39,105 | 4,968 | 12.70% |
| 2019 | 39,821 | 4,571 | 11.48% |
| 2020 | 41,681 | 4,470 | 10.72% |
| 2021 | 47,870 | 5,353 | 11.18% |
| 2022 | 47,850 | 5,802 | 12.13% |
| 2023 | 46,991 | 6,571 | 13.98% |
| 2024 | 47,785 | 6,165 | 12.90% |
| 2025 | 50,163 | 7,292 | 14.54% |
この期間で受験者が最も少ないのは2018年度の39,105人です。 2025年度は50,163人で、そこから11,058人、 28.3%増えています。期間の出発点である2016年度の 41,053人と比較すると、増加率は22.2%です。
どの年を起点にするかで「何割増えたか」は変わります。 最少だった年だけを起点にすれば増加が大きく見えるため、表では途中の年度も省略していません。 2022〜2024年度のように、前年から少し減る年と増える年が続く局面も確認できます。
2025年度は受験者よりも、合格者の増加率が大きい
2024年度から2025年度にかけて、受験者は47,785人から50,163人へ、 5.0%増えました。合格者は6,165人から 7,292人へ、18.3%増えています。
このため合格率は12.90%から14.54%へ、 1.64ポイント上昇しました。 受験者が増えた年でも、合格者がそれ以上の割合で増えれば、合格率は上がります。 「人数が増えたから競争が厳しくなった」という読み方は、この年度には当てはまりません。
合格率の高低だけで、問題の難易度は判定できない
この10年度で合格率が最も高いのは2017年度の 15.72%です。その年度の受験者は40,449人で、2025年度より少なくなっています。 受験者数の大小だけで、合格率の上下を説明できないことが分かります。
合格率には問題の内容だけでなく、受験した人の学習状況や経験、当日の受験状況も反映されます。 この集計には得点分布や学習時間がないため、どの要因が何割影響したかは分かりません。 前年の率を翌年の見込みにそのまま当てはめたり、率が高い年の問題を一律に「簡単」と分類したりするのは避けたいところです。
出願者の動きと、実際に受けた人の動きも分ける
受験者数は、その年度に実際に試験を受けた人数です。申し込んだ人数ではありません。 出願者が増えても、受験者の割合が変われば、会場に来る人数の増え方は異なります。 申込みから受験までの状況は、行政書士試験の受験率で確認できます。
自分と同じ年代の参加状況を知りたい場合は、全体の率を細かく分けた 年齢別の受験者数と合格者数も参考になります。 ただし、どちらも過去に受験した集団の結果です。個人の合格可能性は、現在の得点や科目ごとの準備状況と切り分けて考えます。