行政書士試験を申し込んだ人は、全員が試験当日まで進むわけではありません。 2025年度の申込者は63,845人、受験者は50,163人で、 申込者に対して実際に受験した人の割合は78.57%でした。 合格率を読む前に、この二つの人数の違いを確認します。
申込者・受験者・合格者は、三つの異なる集計
| 指標 | 計算に使う人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 受験率 | 50,163 ÷ 63,845 | 78.57% |
| 受験者を分母にした合格率 | 7,292 ÷ 50,163 | 14.54% |
| 申込者を分母にした合格者の割合 | 7,292 ÷ 63,845 | 11.42% |
一般に公表される合格率は、合格者を受験者で割った値です。 申込者で割ると分母が大きくなるため、割合は低くなります。 どちらかが間違いなのではなく、答えている問いが違います。 「受けた人のうち何人が合格したか」と「申し込んだ人のうち何人が合格したか」を区別してください。
2025年度の申込者と受験者の差は13,682人です。 公式の人数表だけでは、欠席の理由や、いつ受験を見送ると決めたかは分かりません。 この差をすべて「勉強が間に合わなかった人」とみなすことはできません。
受験率は年度によって変わる
| 年度 | 申込者 | 受験者 | 受験者÷申込者 |
|---|---|---|---|
| 2016 | 53,456 | 41,053 | 76.80% |
| 2017 | 52,214 | 40,449 | 77.47% |
| 2018 | 50,926 | 39,105 | 76.79% |
| 2019 | 52,386 | 39,821 | 76.01% |
| 2020 | 54,847 | 41,681 | 76.00% |
| 2021 | 61,869 | 47,870 | 77.37% |
| 2022 | 60,479 | 47,850 | 79.12% |
| 2023 | 59,460 | 46,991 | 79.03% |
| 2024 | 59,832 | 47,785 | 79.87% |
| 2025 | 63,845 | 50,163 | 78.57% |
この期間の受験率は、2020年度の76.00%から、 2024年度の79.87%までの範囲にあります。 申込者が同じ人数でも、実際の受験者数は一定にはなりません。 試験の規模を比べる場合には、申込者と受験者の両方を並べると、参加段階の違いが分かります。
受験率は「最後まで勉強できる確率」ではない
受験した人にも、十分に準備した人と、準備の途中で経験のために受けた人が含まれ得ます。 反対に、欠席した人が翌年以降に受けて合格することも、この年度別の表では追跡できません。 したがって、受験率を学習継続率や、初学者が途中で諦める割合として扱うことはできません。
申込者を分母にした合格者の割合も、これから学習を始める人の成功確率ではありません。 その年度の申込者には、経験や準備状況の異なる人が混在しています。 何年かけて合格したかを知るには、同じ人を年度をまたいで追跡する別のデータが必要です。
自分の計画では「申込み」と「当日の受験」を別の節目にする
このデータから得られる実用的な視点は、申込みをした時点と実際に受験する時点を分けることです。 申込期限を管理するとともに、試験日までに使える時間、当日の移動や仕事の調整を具体化します。 全体の受験率を自分に当てはめるより、受験までの条件を一つずつ確認する方が計画に結び付きます。
受験者数そのものの増減は、10年間の受験者数と合格者数の推移で整理しています。 申込者が増えたのか、受験まで進んだ割合が変わったのかを分けて読むと、同じ「増加」でも中身が異なると分かります。